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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

一週間フレンズ。 第04回『友達とのけんか。』

ここ数日ずっと居座っていた雨雲がようやく重い腰を上げて他の街へと立ち去ったばかりの晴天の屋上で、裕樹と香織は初めてのケンカをしてしまう。
原因はよくある些細な男女の気持ちのすれ違いにすぎないのだが、憤慨して屋上を立ち去る香織をなすすべもなく見送った裕樹は、今日が金曜日だったことを思い出してさらに落ち込みを深くするのだった。


うん、この年頃の男の子っていったら独占欲がめっさすごいですよ。電話をして出なければ浮気を疑い、メールの返事が遅ければ愛情が冷めたかと疑い、相手の都合を斟酌する余裕などこれっぽっちもないんですよね。
デートDVの原因の大半は男性側の嫉妬なんです。ややもすると女の子の方がやきもちやきで縛りたがりだと思われがちですが、いやいやどうして、実際は逆だと思いますよ、わたし。


というわけで今週は、彼女(?)が他の男の話を延々と続けるのでぶち切れた少年のお話です。


……とはいえ、まあ、これは充分に同情の余地がありますよねぇ。


久しぶりの屋上でのお昼で、香織と楽しく話そうと思ってたんです。ただでさえ金曜日だし。それなのに当の香織の口から放たれる言葉と言えば『桐生君』のことばかりですもの。
これはねぇ、うん、たしかに裕樹は女心を分かっていないかもしれない。だけど香織はそれ以上に男心に鈍感すぎるのでしょうね。


△▼△


幸いにして、というのは香織に対して甚だ失礼に過ぎる感はあるものの、現実問題として月曜日になれば金曜日に起きたことなど忘れてしまうのが彼女です。
日記を読んで何が起きたかを知っているかもしれないけれど、それはあくまでも後付けの知識としてのものにすぎません。
だって、怒りの感情は日記帳には残せませんから。

おそらく、半ばくらいは裕樹はこう高をくくっていたんじゃないかと思います。


まさか、日記を読んでいないなんて。
記録された出来事を後付けで覚えた記憶すら彼女が全く持っていないなんて、思いも寄らなかったのでしょう。

さらに、まさか。
まさか再びあの警戒心に満ちた迷惑そうな視線を自分に向けられるときが来るとは、ほんのかけらほども想定していなかったのではないでしょうか。


“今の”彼女は日記の存在すら知らない。
知っていれば読んでいないわけがない。

“前の”彼女が日記を捨てた?
月曜日に読まないようにその前に捨てた?



疑心暗鬼に陥る裕樹に、桐生くんの静かな一喝が光るわけですよ。


藤宮のことをちょっとしたすれ違いで今まで大事にしていた日記を簡単に捨てられるような薄情なやつだと思ってんの?


裕樹は頭を一発がつんとやられたような気持ちだったんでしょうね。

そんなわけがあるか。
自分の好きになった藤宮さんはそんな子じゃない。

香織は金曜には日記を持っていたはず。
恐らくその帰り道で日記を無くしたんだ。

思い込んだら一直線。
授業なんてぶっちして学校を飛び出して当てもなく香織の歩きそうな場所をしらみつぶしに探し始める熱血少年でした。




桐生くんのフォローはそれだけにとどまりません。
もう一方の香織にも向かいます。


おまえは大事なことを忘れている。それは……

言わないで!


香織は感じていたのです。
全く思い出せないけれど、自分で思い出さなければいけない事がある。とっても大事なこと。たいせつな宝物のこと。

翌日も学校をサボって日記帳を探していた裕樹に、相変わらず何も思い出せない香織はおずおずと声をかけます。
何も思い出せないけれど、思い出さなければいけないことは、きっと裕樹が探しているもののことだから。


△▼△


そしてついに、川辺の草むらでの中で日記帳は見つかりましたよ。
裕樹くんがんばった。素手で雑草の中をかき分けていたものだから、手は傷だらけ、体中泥だらけ。

だけど、そんなのチャラです。
チャラどころかお釣りが出るほどのいいことがありました。

記録された思い出は記憶に戻ることはなかったけれど、香織の記憶の奥に文字では記録できないかすかな思い出がホントにちょっとだけ残っていることは、今回また確認できたのですよ。


よかったね、お二人さん。
ケンカのあとの仲直りって、なんかちょっぴり恥ずかしいよね。
恥ずかしくて、うれしくて、前よりもっと近づいた気持ちになるよね。


ん。よかったよかった。めでたしめでたし。
あ、そうそう。来週は新キャラ登場ですよ。またまたお話が動きそうですね。