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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 第09回『魔王の娘さんが貰った初任給の有効活用について。』

今日は魔法ショップ・レオンの給料日。誰もがこの日だけは笑顔になれるそんな幸せな日だ。とりわけこれが初任給となるフィノにとってはどれだけうれしいことか。翌日にはレオンを伴いオケラになるまで買い物をしてしまったのも無理のないことだろう。
二人きりのデート(のような)気分のうきうきどきどきの時間はあっという間に過ぎ去りあれよあれよという間もなく日が落ちても、一向に興奮冷めやらぬままのラウルとアパートへ戻る道すがら、だが、そこで事件は起こった。
フィノが襲われたのだ。犯人はわかっている。
“勇者”たちだ。


俺たちが勇者として活躍するためにお前は魔王になれ


フィノは、ずっとそう脅されていたのだった。


初任給……わたし、どうだったろ。
今の教職でのお給料より、はじめてウェイトレスのバイトしたときにもらったお金の方がうれしかったかもしれないなぁ。まあ、それから数年やってたし、それなりに仕事も好きだったし、やっぱりわたしは机に向かってるより立ってなんかしてるほうが向いてるのよね。

それはさておき。
フィノちゃんのストレートな感動っぷりをこれでもかと言うほどに見せつけられると、見ているこっちの方が感動しちゃいますよね。素直な感情の発露は*1、周囲にほんわかした空気と、過去の自分に向き合って気持ちを初心に戻す特効薬だと思うんです。

自分のためにしたことが、誰かのためになる。
いま自分が買ったものは、かつて自分が売ったものを買った人が作ったものかもしれない。
そうやって、世界は繋がっているんだ。
なにか特別なことをしなくても、人と人とは結びついているんだ。

ステキな考え方だと思います。ラウルくんのみならずわたしも眼が覚めた思いです。ただ生活のために働いている……それは決して悪いことではないけれど、もう一歩考えを進めて、フィノみたいに思えるようになれるといいですよね。
あ、だからといってサービス残業とかそういうのは論外ですよ。また別の話ですから。ね。



あ、あと、ゴキね。
わたしもゴキが走るのを見て悲鳴を上げるほど乙女じゃないつもりですが、飛ぶゴキを見たら泣き叫ぶ自信は絶対的にあります。
なんですかやつら。どうして飛ぶとあんなに怖いの。やばいって。
ときにご存じですか。ゴキの飛行能力は基本的に滑空に限られるそうです。つまり、やつらが高く飛ぶためには脚で壁をよじ登る必要があるわけですよね。
万が一、ゴキが壁に止まっているのを見たら、とにかく離れましょう。
そして、遠くからなんかぶつけるとかして、落としましょう。

離れていれば、奴らがそこから飛行に移っても、少なくとも顔に飛んで向かってきたりはできないはずですから……。



△▼△


そして、フィノを襲った“勇者”たちの言い分は、要するに戦争経済なんですよね*2。魔王と戦うことが勇者が仕事を得るための必須条件だし、勇者をサポートする武器や魔法の道具を作る会社や職人も然り。
なにしろ魔王が倒されたのは突然のことです。まおゆうでも描かれていたような、急激に戦がなくなったら兵隊の仕事も含めて経済が破綻する、というようなお話なんでしょう。

これ、ラウル自身もがずっと思っていたことなんですよね。

どうして魔王が倒されてしまったんだ。
どうして勇者が不要な世界になってしまったんだ。

そしてここで、さらに気付いてしまったんです。

そうか、フィノが魔王になれば……

さてさて、そう思ってしまった上で、ラウルくんはどうするのか。
来週が楽しみですね~。

*1:むろんポジティブなものに限りますけれど

*2:第二次大戦時やベトナム戦争時と現在とでは状況は違うという話ですが