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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

劇場版・超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

見て、この乱雑に引かれた暑苦しいまでの線の数。
最近のアニメと大違いでしょ。曲がってるし、太さもばらばらだし、場面によって明らかに違ったものにすらなっているし。


CGとは大違いの適当な汚らしい線。



ねえ、見てよ、この線の数。量。そして、力強さ
これがね、ぜんぶ手描きなんですよ。
でね、でね、この線がね、このままず~っと動き続けるんですよ。
一枚一枚ぜんぶ、人の手で描かれたものなんですよ。


本気で息をのみました。
まったく目が離せずに気が付いたら二時間が過ぎていました。


これが昔のアニメなのか~~、って、呆然としました。
いままでね、昔のアニメの作画に対するわたしのイメージって『乱暴さばっかりが目立つ緻密さとは無縁のやっつけ仕事』だったんです*1


それが、思いっきり塗り替えられました*2レトロアニメに合わせて古くさい言い回しをあえて選ぶとすれば、頭をがつんとやられたような衝撃、とでも表現しましょうか。
自分が今まで見ていたものは何だったんだろう、とまでいけば大袈裟かな?
だけど、こういういわゆるセルアニメ、たしかもう絶滅してるんですよね。たしか、あのサザエさんが最後でしたか。今度はマクロス風に言えば『喪われた文化』ですよ。


ところで。


なんでいきなりマクロスだ?


おそらく、これを読んでいる方の大半はそんな思いを抱くでしょう。
ウチがほぼアニメブログになってしまってからそれなりに経ちますけれど、今までレトロアニメのことなんて一度も話したことなかったですもんね。

種を明かせば単純なことなんですよ。
もう、一ヶ月少し前になるのかなぁ? WOWOWで特集があったんですよ、初代マクロスのテレビ&映画版全話一挙放送。
さすがに全36話のテレビ版を一気に見るのはわたしには無理でした。録画して、毎日少しずつ消化して、見終わった。次はいよいよ最後の映画版だ!


それを見終わったのち、このエントリ繋がったわけなのです。


ちなみに、テレビ版の方は……そう、これがまさにわたしのイメージ通りの、昔のアニメなんてこんなものか、って、そういうレベルの崩れまくり溶けまくり作画だったんです。
ひどいもんだなーと半ば嘲笑しながら最後まで見続けることができたのは、きっと、いまの感覚でも『見れる』ほどにお話がしっかりと作られていたからでしょう。

当時のアニメはそのほとんどが子供向けだったはずですよね。おもちゃを売るために単純明快な勧善懲悪ものが好まれたし、放送時間も子供が起きている時間帯に限定されていたと聞きます。
それなのに、マクロスは大人向け、と言っていいのかなぁ。最初から高年齢向けにつくってあるはずの最近の深夜アニメの大半より、よほど骨太だったと感じたんですよね。


このテレビ版マクロスは、1~26話までと、27~37話までの二部に大きく別れます。
これは、本来は26話で完結するところを、番組スポンサーであるおもちゃメーカーの要請により*3、急遽延長したためだそうです。

聞くところによれば、この延長した二部への評価は惨憺たるものです。たしかに、作画レベルはさらに落ちる、戦闘シーンは地味なテロ鎮圧が主になって迫力に欠ける、ミンメイは落ちぶれる、輝の最低ダメ男ぶりに磨きがかかると、これだけきけばあんまりよくないんですよね。

ただ、わたしはこれ、後半の部分に関しては高く評価してるんです。
すごいですよ、男がいないと少しも生きていけないミンメイって女。そして、ミンメイに騙され振り回され利用されまくる輝、そんなダメな男に惚れてしまったばかりに苦しめられ続ける美沙。


最高!!


あ、そういえば映画版のストーリーに触れてませんでしたっけ。
ちょうど、銀河鉄道999のテレビ版と映画版の関係のようなものかな。
テレビ版を再構成して、さらにシビアなドラマに仕立てた感じですね。



特に終盤がいいですかね。
次々と人が死んでいく中でも自分のことしか頭に無いミンメイがステキです。彼女が男とよろしくやっている裏では戦争で何百何千何万人も喪われていくのに。
仕方ない仕事するかとようやくミンメイが動き出しても、歌一つで戦争が終わるわけでもないんですよね*4。宇宙空間に投影されるステージ衣装の彼女の姿の裏で、さらに人は死に続けてゆくのです。


そうそう、ラスト近くの女同士のアイコンタクトが、なによりすっごくお気に入りかも。必見だと思います。





なんて、長々と語ってみましたが……。

当時からの年季の入ったアニメファンに聞かせれば、何を今更の戯言と思われるでしょうし、最近のちょっと斜に構えた初代マクロスを見たことのない若いアニメファン世代に言わせれば、にわかオタクが古典をありがたがってるよとでもなるかもしれません。


いいです。思われても、言われても。
とにかくすごいんですもん。


こいつはね~、見たことない人は、ぜひ見て欲しいですよ。
うん、もうね、ぞくぞくきたもん。
そんなわけで、あんまり詳細なストーリーやスクリーンショットは避けているのです。念のため。


あ、どうせ見るなら、できれば、テレビ全話を見終わったあとにこの映画を見てほしいなぁ。
って、……相当にハードルが上がりますけれど。

*1:だからこその味わいは認めますが

*2:そういうのが大半だろうとはいまでも思ってますけれど、すごいものは確かにある

*3:主人公達が搭乗する変形戦闘機の『バルキリー』が売れまくっていたとか

*4:ごめんなさい、聞きかじった知識で、ずっと彼女が歌えば水戸黄門の印籠よろしく平和が戻るストーリーだと思ってました