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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

進撃の巨人 第01回『二千年後の君へ』

その時代、人は周囲を防壁で幾重にも囲まれた小さな世界で、日々の暮らしを慎ましやかで平和におくっていた。
彼らの暮らしを守る壁の高さは、約50メートルに及ぶ。やり過ぎだ。この壁をよじ登って街を襲う事のできる敵などこの世にあろうはずがない。それがたとえ、人にあらざるものの脅威だったとしても。


この壁こそが、人々の希望であると同時に、甘さであり、停滞であり、不適応だったのだ。たった50メートルの壁で永遠の平和を買えると信じていた人間たちの、浅慮の象徴でもあるのかもしれない。


や、よかったです。
正直なところアニメになって絵が綺麗になりすぎることへの懸念があったんですよね。全くの杞憂でした。これの原作マンガっていわゆるうまい絵*1じゃないんですよね。だからこそそれならではの味がある絵なんです。
アニメになってそういう個性は確かに大幅にスポイルされてしまってはいるものの、それに負けない美しいビジュアルが、アニメならではの強烈な個性を醸し出していると思うんです。わたし、すごい気に入りました。
もしかしたら一話見て切るかもな。原作は大好きだけど、アニメは別にいいかな、なんて思ってたりね、してたんです。どうせ原作は続いている以上途中で終わるのは確実だし、別に見なくても、とかさ。


あっさり考え直しました。
おそらくこれは最後までつきあうことになるでしょう。期待、期待。


△▼△


家の手伝いの薪拾いを終えて帰る途中、昼間から当番中に酒をあおり危機感がまるで感じられない門番のハンネスたちを見て、エレンはそれではいざというときにどうするんだと強い怒りをぶつける。
門番たちは“心配性”な子供を赤ら顔で嘲笑しながら「そのときはしっかりやるよ」と軽くいなしてくる。エレンは当然のことながら腹の虫がまったく治まらない。


どうして、今の平和が永久に続くなどと思えるのだ。
どうして、街の外から隔離された世界で生き続ける事を当然だと思えるのだ。


調査兵団 ── 街の外に出る事が唯一許されている ── 志望のエレンは、常々感じていた。この街の人たちは家畜のようなものだと。狭い檻の中のみが世界のすべて。与えられる平和を享受するのみで、そんな平和はうたかたのようなものだと。


折しもその日は調査兵団が外の世界の探索から街へ戻ってくる日でした。英雄の凱旋だ! 大はしゃぎで出迎えに向かったエレンが目の当たりにしたのは……戦果らしい戦果など一つも無いまま多くの兵を失って這々の体で帰ってきたような、惨憺たる有様のけが人の群れでした。
団員だった息子を心配して迎えにきた母の元に、右手の一本のみを返すことしかできなかった団長に恨み言の一つも言わず、せめて息子は兵団の役に立ったと言って貰うことを望む母に、団長は号泣しながら自分の無能をわびるのみでした。あなたの息子を無駄死にさせてしまった。遠征での成果がまったくなかった。


どれだけ絶望的な行軍だったのでしょう。軍の責任者に自らそこまで言わしめる外の世界の現状はいったい…。


果たしてその日に、箱庭の小さな世界は壊される事になる。


阿鼻叫喚の巷と化した街の中で、ハンネスは自分が英雄には慣れない事をはっきりと悟るのだった。はじめて目の当たりにした巨人への恐怖感は、たとえ命を捨てる事になっても誰かの命を守ろう、との彼の決心を一瞬で木端微塵に打ち砕いてしまう。


だけれど、彼を責める事なんてわたしにはできない。それでも一人で逃げる事はしなかった。巨人の闊歩する地獄となった街の片隅に人助けのために単身で飛び込んできたのだから。一人の命は見殺しにすることになったけれど、それでも彼がいたからこそ二人の子供が、エレンとミカサが助かったのは間違いないのだから。


△▼△


ここで“見殺し”にされた命とは、エレンの母です。
彼女をおいしそうに幸せそうに食べる巨人の顔はエレンたちならずとも、忘れることはできないかもしれません。それだけすごいインパクトでしたよ。よくここまで描けたものだ……つくづく感服。


うん、この巨人たちって、特に兇悪な顔をしているわけでもないんですよね。それどころか、まるでどこにでもいるような普通のさえないおじさん、おばさん的な表情なんです。これこそが原作絵の味の一つなんですが、もちろんアニメ風のアレンジは入っているけれど、大筋でいい感じに移植されている感じですよ。
あ、あと、アニメになってよかったと思うのは、ワイヤーを用いた有線による立体機動戦闘ですよね。これかっこいい。動くとこんな風になるのねぇ。
描く方は紐が絡まるような無理な挙動はさせられなくなるからたいへんそうだけど、まあがんばってくださいと簡単に言っちゃいましょう。うんうん。


そんなところ、かな。
うん、おもしろいです。今期の期待の一作でしょう。

*1:技術的な問題ではなく