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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

中二病でも恋がしたい! 第01回『邂逅の…邪王真眼』


富樫勇太、今日から高校一年生。彼はこれから、家から少し離れた中学時代の知人が一人もいない高校で、昨日までの自分をすべて捨て去り<富樫勇太>として青春を謳歌する予定だ。そう、昨日までの彼は富樫勇太ではなかった。自らを<ダークフレイムマスター>を名乗り中学の三年間をぼっちで過ごした元重症の中二病患者なのであった。
新しくクラスメイトになった美少女の丹生谷森夏との関係をほんのちょっと夢見てみたり、数年ぶりに友人となれそうな気さくな男子生徒の一式誠との交流に涙してみたり、ああやっぱり普通っていいなと感激してみたり。つくづく富樫勇太に戻ってよかった。


そう、思っていたのに。
富樫勇太の業は自分で思っているよりきっとずっと深かった。眼帯の下にカラーコンタクトオッドアイを隠した小鳥遊六花邪王真眼の使い手に見初められた彼が平穏な日々を手に入れる日は、まだまだずっと先のようだ。



うん、いいですね、これ。
いまのところ、なんのひねりも意外性もなくて、言ってみればすべてが予定調和的に進んでいる感じで、視聴者であるわたしが見たいと思っているものをこれでどうだと言わんばかりに並べられていると表現すればいいかな。こういういわば単純であざといやりかたって、簡単にウケをとれそうに思えもするけれど、ともすると逆に思わぬ反発を抱かれたりして、大失敗をしでかしがちなんですよね。
そのあたりのさじ加減が絶妙だと思います。いやみなくすーっと入ってくるみたいな? うん、いいと思います。


時に、わたしは中学校で教鞭を執っていまして、中二病患者はそれこそお得意様と言いますか、ひっじょーになじみのある存在のわけです。いわゆるリアルのそういった存在は、笑えるより何より、真剣に腹が立ってくるケースが多いんですね。本作の勇太や六花のようにわかりやすい子がまずいないであろうことは誰にでも想像できるでしょうけど、その分内にこもって何を考えているのか大人の目からはまるで知れないタイプの、悪く言えば不気味で、同時に、傷つきやすい繊細な子が多いんです。どれだけ扱いに苦慮するかちょっとわかってもらえたかな。


翻って、勇太たちはホントにいい。楽しい。素直に笑えるし、バカにできる。そこがいいんです。つまんないリアルさより*1、荒唐無稽なおもしろさに全力で突っ走っている感が最高です。




勇太にぺしぺしたたかれて涙目で一時的に現実に立ち返る六花がかわいい。
彼女の悲しい視線に根負けして捨て去ろうとしていた“中学時代のすべて”の処分をあきらめる勇太がいい。
妹の冷たくも暖かく見守ってくれる視線が気持ちいい。
新しいクラスのリア充臭ぷんぷんの少年・少女たちがむかつくまぶしくてうらやましい。



すべてにおいてクオリティが高いこの一話目は、ほぼ文句なしでした。
このまんまラストまで安定したおもしろさをキープしていってくれるといいなぁ。


では、また。

*1:そこが大事な要素となる作品も多いのはもちろんですが