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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

人類は衰退しました 第12回『妖精さんの、ひみつのおちゃかい』


巻き毛やYのおかげで<わたし>はまがりなりにも充実した学園生活を満喫して卒業までこぎ着けた。いい人ばかりじゃなかったけれど、いいことばかりでもなかったけれど、振り返ってみればそれすらもいい思い出だ。
ん? でもなにか、大事なことを忘れているような。そうだ、あれはひょっとすれば<わたし>の最初のお友達。楽しい思い出を作るきっかけをくれた最高のお友達。


── 妖精さん。


裕福な家庭で蝶よ花よと育てられ、より豊かな教養をを身につけるべく<学舎>にやってくる子供たちの中でも、ひときわ優雅に目立つ存在が、野薔薇会の乙女たちでしょう。
会員はみな、物静かで、あるいは天真爛漫で、柔和な笑顔や、あるいはひまわりのような元気さや、たおやかさに、人によっては子犬のような純粋さで、見る人すべてを魅了する、いずれ劣らぬ天使のような少女たちばかりです。


だと思われています


そう、一歩裏へ回れば、彼女たちの誰もが、何れ劣らぬ悪魔揃い。

  1. 『いつか殺すリスト』を淡々と書き綴っている
  2. 校内の美少女の髪の毛を蒐集している
  3. 仲間の陰口を肴に飲酒にふけっている
  4. 愛情をこじらせてまるっきり病んでいる


そんな、仲間の会員たちの“真実の姿”を知ってしまった<わたし>は、言うまでも無くどん引きです。



……しかし、まあ、こんなものなのでしょうね。
真実の姿ってなによ、と。どれもこれも、別に誰かに見せないものが真実なわけじゃない。誰が見ていてもいなくても、わたしはわたしで、どれか一つがかけても、それは“真実の姿”じゃないわけですよ。


誰だって言えないことの100や200はあるもんです。
きっとそれは<わたし>も、成長とともにそれは言外に体得していったのでしょう。一時は疎遠となった野薔薇会と、新たに友人となったYも含めて復縁を求めた理由の一つは、そうなのだと思います。



少年同士の行き過ぎた友情好き』をこじらせて『同性愛専門図書館』を作ったっていいじゃないか!


△▼△





<わたし>の限界に達した強がりを、その小さな体に全力で受け止めてくれた妖精さん。
ずっとずっと忘れていたけれど、彼が<わたし>の未来を変えてくれたからこそ、いまの<わたし>がいるのです。
そして、<わたし>の卒業まで何年もの間、ずっとずっと見守り続けてくれた妖精さんは、いまそのお役目から解き放たれました。彼も卒業です。
もう、だいじょうぶ。そういうことなのでしょう。


地球の新しい人類の妖精さんは、どこまでおかしく、どうしようもなく迷惑で、なにより、底抜けにやさしいのです。


願わくば、これからの地球が、もっともっと心安まる世界になりますように。
……それは、ムリかな。妖精さんにかかったら、平穏無事な生活なんて絶対望めないものね。


だけど、楽しいと思う。
衰退した世界で細々と生きる人々も、いまの物質的には恵まれたわたし達にはない幸せを胸に、今日も明るく生きています。




人類は絶賛衰退中です。





そんなわけで、うん。おもしろかった!
これもね、絵はかわいいけど、それだけなんじゃないの? って、半分以上侮ってたんですよね。やー、裏切られた。おもしろいじゃないですか。
ホントに見てよかったと深く深く感じています。妖精さんかわいいですし?


スタッフの皆様お疲れ様でした。
いずれ続編も見てみたい気がしますね。他の作品でも、とにかくがんばって楽しいものを作り続けてくださいませ。


では。