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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

TARI TARI 第08回『気にしたり思いっきり駆け出したり』


やぶさめの練習中に落馬した紗羽の負傷は、幸いにも大事に至ることなくその日のうちに家に帰れる程度の軽傷で済んだ。しかし、未成年者である彼女が再度倒れた場合の事故の責任を負えないという主催者側から本戦への参加は断られ、そもそもの体調不良の原因となった競馬学校入学基準に体重を合わせるための無茶な減量も功を奏すことなく、馬にかけた彼女の未来はすべて閉ざされたかに見えた。


競馬学校についてちょっとググってみたのですけれど、おそろしく厳しくリスキーな学校なんですねぇ。

  • 高卒だと遅い。中卒で入らないとほとんど見込みがないとか。
  • 定められた体重を少しでも超えたら即退学*1とか。



なにより、作中で触れられていたように、両親の体格が子供の入学基準になるとか、なんとも問題がある気がするなぁ。
完全民営の馬術学校ならいざ知らず、JRAって実質国営競馬ですもんね。そこが本人とは無関係の資質で選抜とか……。
いやまあ確かに『学校』とは言っても文科省が管轄するような狭義の学校=教育機関とは違うのはわかるんです。いやらしい置き換えをすれば、競馬の騎手を育てることは丁半ばくちの壺振りを養成するのと同じなんですから。
そう考えれば、ただひたすらにギャンブルを滞りなく運営するための選抜のやり方としては、さしたる問題ないと言えるのかもしれません。


とは言うものの、でもやっぱり、馬での競争をしたいと思う子供たちにとっては、事実上他に道がないんですよねぇ。試験時点で本人の体格に無理があるというならともかく、本人には何の関連もない親の体格が選抜基準*2というのは、ちょっとなぁ。うーん、入学以前に弾いちゃうって事は、親の体格と受験者本人の体格の遺伝による影響は詳細に追試されたりしてないんですよね?


ええ、これまた、そんな面倒なことにかけるお金はないとか言われたら、どうにもならないわけですが。


要するに、言いたいことはわかるんだけど、なんとかならないものでしょうか、と思ってしまって仕方がないのですよね。



△▼△




本心では娘に安定した安全な道を歩んで欲しいと思っている父なのに、一方では娘の抱く“無謀な夢”の実現のために必死になる矛盾した人間くさい安心感は、われわれ見るものの心をとらえて離さない父親像だったのではないでしょうか。競馬学校の募集要項が娘に不利だからと電凸に走るその姿を、モンペとかDQN親とか切り捨てるのは簡単です。それを笑って見守る母も、同じ穴の貉だと非難するのも容易でしょう。


だが、わたしは好きだ。
世間にとって完璧な親より、子供にとって頼れる親の方がいい。


だいたい、アレですよ。
“子供のために”怒る親を十把一絡げにモンペとか呼ぶのは間違ってます。


子供のためといいながらその実自分のプライドのために怒鳴り込んでくるような存在だけを、そう呼ぶべきだと思うんですよ。


職業柄、それら二つがまったく違うことはよくわかってます。
明らかにこどもそっちのけで自分のために怒っている親御さんは実に多いです。


もっとも、理由はどうあれ怒鳴り込まれる方はたまったもんじゃないのも事実ではあるのですが……。
そこはそれ、別の話、と。


そして教頭先生。
彼女も“生徒のため”にがんばっていることに疑いはしませんけれど、意固地になって自分のやり方を通すことをなによりも優先しようとしている風に見えるところが残念なのかもしれません。いきなり頭ごなしに生徒の自主性を否定するのは問題が大きすぎます。基本的には悪い先生じゃないですし、生徒からの心を込めた嘆願をむげに断るばかりの人でもありません。ちょっと残念なだけで、まじめないい先生なのは事実なんですよね。


そんな風に、カンペキじゃない親とか、ちょっとなにかが足りない先生とか、人間くさいキャラクターがわたしは好きです。


しかし「生徒のほんのちょっとを大きく育てるのが教師の仕事だ」とか教頭先生に向かって堂々と言っちゃう来夏もたいがいいい性格してますよね。
ええ、キライじゃないですよ、すっごく。みんなどこか問題があって、そこがいい。


紗羽もそう。
荒れたり、あたったり、嘆いてみたり。
それでも、何度でも立ち上がれるのは、一人じゃないから、かな。やっぱり。



さて。
今回はウィーンの自宅である豪邸のお披露目がありました。彼の言葉の通りに今までほとんど使われていなかったらしい家なのは、調律もされないまま放置されていたピアノが何より如実に物語っていたと言えます。
ともすれば、天然のかわいそうな子に見られることの多いウィーンも、あれで彼は彼なりに思い悩むことも抱え込んでいることも少なくないようです。今回、紗羽の件がひとまずの解決に至ったことから、来週こそいよいよ、深く語られていない最後の一人として、彼の本番回になることが期待されます。


ていうか、なにげに一番残念なのは、和奏なのかも。
暖炉がある! 何か燃やしてみようよ!
とか。
平然といたずら電話で選考会の妨害もやっちゃうし、わりとはっちゃけた子です。


では、また。

*1:本人の不摂生ならともかく自然な成長による増加も認められない

*2:たとえばウチで言えば両親は小さいけど、兄は平均よりずっと大きいし、わたしは小さい両親よりさらに背がないし。親を見てもその後はわかりません