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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

人類は衰退しました 第05回『妖精さんの、おさとがえり』


衰退した人類の衰退した国連にも、文化事業を推進しようとするユネスコはあります。


人モニュメント計画 ── それは、人類の文化・科学・歴史……あらゆる情報を大容量記憶装置を内蔵したモニュメントに保存しておこうという壮大なスケールの一大事業。


あるいは、衰退したからこそ文化を後世に残しておこうとする種としての本能なのか、ぶっちゃけ他にやることがないからいろいろやってみよう的投げやりなのか、いずれにしても、まだまだ気力は十分の人類の今後にご期待ください。



なんというか、とにかくアレですね。
いま、目の前に明かりが灯る。それだけがすべて。そのあとに何がどうなるかなど考えることもない。
昨今の日本が置かれた状況をコミカルかつ露骨に皮肉っている感じがキライじゃないです。


まあもっとも、そういう状態になったのはごくごく最近の話ですし、このお話が原作で描かれた頃がいつかわかりませんし*1、実はまるで無関係なお話なのかもしれませんし。だけどどのみちいまこれを見ればそう感じずにはいられませんし、出自での思惑はこの際捨て置きましょうし。


さて。
作中で「生き残っているのが見つかった」発電所の正体は、おそらく『宇宙太陽光発電』と呼ばれる人工衛星太陽光発電した電力を地上にマイクロ波で送信するシステムのことだと思われます。このマイクロ波は要するに強力な電磁波ですから、送信の過程で生物に対する様々な影響が懸念されるモノであることは間違いありません。具体的には、妖精さんがしんでしまうとか。まあたいへん。



そう、妖精さんに関して、今回わかった驚愕の事実が一つあります。
妖精さんはいるだけで何もしなくても迷惑人間の役に立つ存在だったということです。
つまりどういうことだってばよといえば、彼らが近くにいればいるだけ、奇跡が起きる可能性が高まるらしいのです。妖精さんが一人もいない街で20階のビルから落ちれば当然のように一巻の終りですが、妖精さん密度が超高い街で同じ事故が起きた場合、落下途中でヒーローに助けてもらうことで生き延びたりします。銃で撃たれてもペンダントが弾を止めてくれます。ライバルとの最終決戦では秘めたる力が覚醒して勝利することもできます。
ここまでできるのですからおそらくはもうなんでもありのまさに奇跡です。準備さえ万端ならば、妻や娘が病死したことすらなかったことになり険悪だった父親とも和解できるでしょう。長い間眠っていた少女が突然目を覚ましてうぐぅとうめくこともあるでしょう。気づいたらカラスに生まれ変わって薄幸の少女を見守っていたりもするかもしれません。


妖精さんというのはつくづくなにものなんでしょうね。
わかっているのは、人類に取って代わって地上の覇者となった知的生命体。我々には原理の片鱗すらつかめない超科学を駆使して様々なトラブルを巻き起こしたかと思えば、もはや原理を云々することすらばからしい奇跡の担い手でもあるという。いや、結局その二つは同じモノなのかしれません。彼らの人知を越えた行いを『魔法』と称すれば解決です。だって妖精さんなんだもの。魔法くらい使うでしょ。
あるいは、それは思考停止の逃避にすぎないのでしょう。でも、仕方ないよ。彼らを真に理解するにはもう遅いんです。人類は衰退したから。


そんな妖精さんたちが、電磁波の襲来を嫌って一斉にいなくなったらどうなるか。
いままでの<わたし>の活躍を見る限り、ずいぶんと彼らの奇跡の恩恵を受けてきたようにみえます。さしずめ、これからはいわば残機0でスペランカーをプレイするような慎重さで仕事に臨まないといけないのかもしれません。


が。



愛されていたんですね<わたし>。
大勢の妖精さんが里を去って行く中で、ツイストしてこよりにメタモルして仮死状態になってまで、彼女のお守りをしていた妖精さんもいたのです。
たった一人でも妖精さんは妖精さんです。その後の彼女の活躍での“偶然の生存”には、大いに彼の力が役立っているように見えます。


そんなわけで、今週のお話は終わります。
廃墟の街に群生するスライムの正体は? 突如襲いかかってきた犬型ロボットは誰の差し金なのか。はたまた、<わたし>の目の前に現れて危機から救ってくれた猫耳少女の正体は!?


以下、次回!

*1:そもそも原作未読なのでそちらに掲載されているエピソードなのかどうかもしらない。