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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

夏雪ランデブー 第01回


ある日、<葉月亮介>22歳は一目惚れをした。それはまさに運命的な出会いと言ってもいいほどに、強烈な恋心に襲われた。もっとも、一目惚れなんていうものは、いつだって恋に落ちた本人にしてみれば、運命を感じずにはいられないものなのかも知れないけれど。
彼が思いを寄せるのは、近所の花屋で働いている女性、おそらく店長なのだろう。そう、それすらわからない。なのだから、名前も、正確な年齢も、もちろんわかろうはずがない。わからなくたって好きなんだから仕方がない。だって、そんなことをどうやって聞き出したらいいというのか、なにもかもが、まったくわからない。
彼にできることはただ一つ。店に足繁く通い常連客として顔を覚えてもらって、会計のときに二言三言の短い会話を交わすことだけ。それだけが、愛しい彼女との接点だった。


昨日までは。

アルバイト募集!! ※時間応相談 ※花が好きな方 ※男女問いません 詳しくはスタッフまでお気軽にどうぞ! 


ある日の閉店後のシャッターに貼られた求人の張り紙を見るまでは。


いやぁ、いいです。この亮介くん好きです。
ストレートなところが何と言っても気持ちがいい。


好きだった女性に男がいた!?


なんだよふざけんなよ手伝いなんてしてられるかよ帰るよ。





ああもうどうでもいいや、バイトもすぐにでもやめちまうかなぁ。



これ。このへんがいい。


ほらほら、こういうときアニメの主人公ってだいたいへらへら笑いながら心の中でぶつぶつ言うだけで何の行動もしないじゃないですか。
どこまでも受け身じゃないですか。それが誤解だとしても、何もせずにもたもたしているだけで、周囲が勝手に動いて解決してくれるのが常じゃないですか。
他に男がいても*1、頼まれたことには文句一ついわずに曖昧な笑顔を浮かべながら片付けていくものじゃないですか。


なのに、亮介くんたらホントに帰っちゃうもんね。
すっかり口説く気もなくなっちゃってるもんね。


実に、いいです。



なにより、彼女のそばにいる男が幽霊だとわかって、俄然やる気が復活するところもまたいいじゃないですか。
死んだ夫が未練たらしく彼女のそばにいるなんておかしいじゃないか。そんなやつから寝取ってやって何が悪いんだ!


悪くないです。


やれやれやっちまえ!
取っちまえ!


俗に『男は70になっても男』などと言われることがありますが、対する『女は灰になるまで』なんですよ。
幽霊の男じゃダメ。思い出の中の夫じゃダメ。


力強く両の腕で抱きしめてくれる肉のある男がいなければお話にならないんです。


そんなわけで、わたしは亮介くんを強く応援しています。


……何を言ってるんだわたしは。


え、はい。
さすがにレディコミの大人気コミックが原作のアニメです。他とはひと味もふた味も違って新鮮でとぉってもクるものがありました。


さっき言ったことをいきなり否定しちゃうように聞こえるかも知れませんが、人って案外と思い出の中に生きていくこともできるんです。だけどそれはね、逃げなんですよ。一途とか純粋とか言えば聞こえはいいけれど、新しい人生を歩むことから目を背けているだけなんです。



イタタタタタタ。


ごめんなさい。ちょっと自分で言ってて自分の耳や胸が痛くなってきた。
ま、まあ、わたしのことは棚の一番上の隅っこに押しやっておきましょう。


だから、新しく、自分を好きだと言ってくれる男性がいたのなら、それに応えるべきなんです。好みじゃないのにつきあえって意味じゃないですよ。夢の世界から一歩足を踏み出して、自分を心配してくれる人たちのことを考えるようにしよう、そういう話です。その上でたとえば、年下のフリーターなんてまっぴら! とか、そういう判断をするのはもちろんアリなわけですよね。



えー、例によってぐっだぐだになったので逃げます。
いいの。こういう逃げはいいの! そ、そう、オチなんだから、いいの!



ああ、なんかいろいろぐさぐさきますね。
こういうのはもしかすると緩慢な自殺の一つなのかも知れない。心に刺さったとげとげがね、抜けなくなるのよね。
自虐ネタって、わりと真剣にダメージは蓄積するものですよ。



以上、また!

*1:往々にして兄とかその類を恋人だと勘違いするのですが