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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

孤独のグルメ 第07回 『武蔵野市吉祥寺喫茶店のナポリタン』


いつもは行列ができるほどにメンチカツが評判の肉屋に、今日に限って誰も並んでいない。
それは、井之頭五郎が旧知の顧客である吉祥寺のジャズ喫茶に向かう道すがらのことだった。約束の時間までそれほどの余裕はないのだが、並ばずに買えるのなら遅れることはないはず。この機を逃してなるものか。しかし、メンチカツの発売時間は朝10時から。いまはまだその時間になっていないだけの話だった。




結局、約束の時間よりもメンチカツを優先した彼は、遅刻のお詫びとお土産にと持ち込んだメンチカツをジャズ喫茶の店内で顧客とほおばりながら、その日の午前中の仕事を終えた。さて、お昼だ。彼にとってメンチカツなど序章にすぎない。今日は何腹なんだろう。占い師に相談しても決まらない。店の看板を眺めていても、なかなかぴんと来るものがない。
こまった。ラーメンか? カレーか? いや……スパゲティだ。


まだまだ悩み多いお年頃らしい。


そんなわけで、その日の、ゴローちゃんは悩んでいました。
メンチカツがダメならばあきらめてコロッケか串カツか選ばねば。うーんうーん、いや迷ったときは両方だろう。しばし店頭を離れ思案を重ねようやくその極意に思い至った彼の眼に映るものは……メンチカツを買うための長蛇の列でした。どうやら悩んでいる間に発売時間になっていたらしいのです。


一に、二にも、三、四が無くて五には



井之頭五郎の生き方はおおよそこのようなものです。評判のメンチカツを買うために仕事の約束すらぶっちぎる……これぞまさに男の生き様! サラリーマンには決して真似のできない一国一城の主にのみ許されるあこがれの暴挙!! うーん、うらやましい。


まあ、わかります。こういうときって意地になってぜったいに買ってやるって思っちゃいますよね。
後に何があろうが知ったことか。わたしはぜったいに手に入れるぞ! って、あとでひどく面倒なことになったことが、二度や三度じゃありません。ばかだなわたし。


それはともかく、悩みは決断を遅らせ、決断の遅れは後悔へと繋がるものなのですね。


彼の悩みはまだまだ続きます。
商談後にふらふらと吉祥寺の街を歩き回っても、なかなかに食べたいものが見つかりません。ラーメン屋さんに入ろうかと思えば、そのはす向かいにもあるラーメン屋さんが気になる。どっちもダメだ、あ、カレーだよカレー。だけどやっぱりカレー腹じゃない。余りに思い詰めたその表情に、うさんくさい占い師が食いつくほどです。

なんでも相談してちょうだい
お昼に何を食べたらいいでしょう

さすがにこれは占い師のプライドを痛く傷つけたようでした。占い師ってけっこう親身に悩みを聞いてくれる人多いですからね。そりゃ商売でしょうけど、それはそれでね。




△▼△




今回、ようやく彼が選んだお店は『食事とお酒のカヤシマ』さんです。
しかし、まだまだ悩むよ! 今度はメニューを見て固まるよ! メニューの森に迷い込んじゃったよ!


こういうときって何度も店員さんが注文を取りに来たりで焦りますよね。なんでみんなぱっぱと決められるんでしょうね? これおいしそう。あ、こっちもいいじゃない。食べ物だって買い物です。あーでもないこーでもないと悩んでいる間が一番楽しいものですよ。
わたしがそんなことを思っている間に、ゴローちゃんもようやく決心を固めたようです。
スパゲティナポリタンにシューマイハンバーグのセットです。直前まで他のものにするつもりだったのだけど、それは一足先によそのお客に“獲られた”から仕方がありません。要するにアレですかね。買おうと思った服と同じものを直前に誰かが持っていくと、それを買う気がなくなっちゃうみたいな? どうなんだろ、違うかな。



で、うん。ナポリタンだよ。やっぱスパゲティといったらナポリタンだよ。スパゲティで一番好きなのはナポリタンだというと子供みたいと笑われてしまうナポリタンだよ!! ねえ? ナポリタンこそスパゲティの王様じゃない。ナポリタンに始まりナポリタンに終わるのよ。いいぞいいぞケチャップいいぞ! ですよ。


なにがボロネーゼよ。カルボナーラよ。ペスカトーレよ。オサレなこと言ってれば偉いってモンじゃないぞ!!


事程左様に、今回あまりにもゴローちゃんの独白に共感できる部分が多くてヘッドバンギング状態です。


パスタじゃなくてスパゲティそう!! なんであんたらパスタ言うかな。と、友人たちの会話でいつも苦々しく思っていたものです*1


ここなんかモロでしたねぇ。



落ち着こう。ドラマの話に戻ろう。
いつものように食べながらのゴローちゃんの独白は続きます。
たっぷりソースのハンバーグは男の子の味」これは原作コミックでは秋葉原で買ったソースカツサンドの時のセリフですね。「ケチャップ・ソース・マヨネーズ、それに味噌汁、こういうのが自分に似合いのランチだ」とか。なんというか、男の子の味って原色の味*2ってイメージが確かにありますね。わかりやすい突き抜けた味を何より好むっていうか? いい歳してハンバーグが好きとか言うと、子供舌だのろくなモノ食べてないんだろうだの、さんざん言われる世の中ですけどね。うまいものはうまいんですよ。それでいいじゃないですか。


あとそうか「ナポリタンはおかずにもなる」これですね。
お好み焼きがご飯のおかずになるって聞けば関西人じゃないわたしにはちょっとイメージが湧きませんけど、よくお弁当の付け合わせのナポリタンでご飯を食べたりってしますもんね。主食であり、副菜であり、主菜にもなりうる偉大なスパゲティ、それこそがナポリタン。他のオサレパスタ(笑)には真似できませんって。


今日も中高生のようにもりもりと追加注文までして出された料理を食べ尽くしたゴローちゃんは、お店の割引券をもらって外に出ます。割引額は70円。「しぶいな」とは彼の言。なるほど、それが吉祥寺流なのか。ここは古き良き吉祥寺の集約されたお店なのか。


きっといつかまた近いうちに、彼が割引券を使う機会が訪れるのでしょうね。




△▼△


ふらっとQUSUMIです。
久住さんは三鷹出身なので吉祥寺は詳しいそうです。どうでもいいですが、わたしはかなり長い間、吉祥寺駅は吉祥寺市にあると思い込んでいました。けっこうありがちですかね。あんま行かないですからね〜。



なるほど、ちょっと入りづらそうな店構えと言っているのはよくわかりますね。いかにもお酒メインに見えるんですよね。昼間に、しかもお酒がダメだから飲み屋さんに対する免疫のないわたしには余計に敷居が高そうなお店です。なんでも、もともとは珈琲専門店だったものが、食事をメニューに加えてお酒が増えて、時流に乗ってカラオケパブにもなったことのあるお店だとか。
こんな一等地にお店を構えていても、決して商売は楽なモンじゃないってことなんでしょうね。



で、そうそうそう、粉チーズ! ナポリタンには粉チーズですよ!
いやぁ、おいしそうですよぉ。アルデンテなんてどーでもいいですよね。重要なのはケチャップなんですよね。


スパゲティにシューマイにジンジャーに……このムチャクチャなとりあわせこそが日本食だ、とまとめていました。なるほどそういうものかもしれません。



さて、来週はアレですか。一人焼き肉でうぉォンですか。
きっと実況スレとか盛り上がるんでしょうねぇ。


では、また。

*1:思ってるだけで言わない

*2:実際の色との対応はしてませんが