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きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

ちはやふる 第15回 『つらぬきとめぬたまそちりける』


千早はクイーンに敗れた。現時点における二人の間の実力差は『20枚』絶望的に遠い天の上の存在のような彼女に、しかし千早は真っ向から挑み果敢に攻め立てた。確かにクイーンは強い。だが、どこまでいってもあの子は同い年の女の子だ。神様なんかじゃない。


一方の太一はB級の決勝戦に進出を果たしたものの、試合は明らかに劣勢だ。思うように働かない頭、頭の命令通りに動いてくれない手。自分に自分で苛立ちながらも、決勝の対戦相手に必死に追い縋る。しかし、善戦むなしく結果は敗退。太一は準優勝で大会を終えた。


残念だったけど、よくやったよ。準優勝だぜ? なあ。



……『よくやった』? バカな! 悔しい。こんなに悔しいのははじめてだ。
だが、いまの自分には泣く資格はない。それは青春すべてを懸けた者のみに許される神聖な行為だ。


まだ、俺は懸けてない。だから、今日は悔しいだけでいい。


太一が心の底から『懸けようと決めた』のは、決勝戦で負けたあとじゃないと思うんです。
太一の敗戦をまるで自分のことのように悔しがってくれる友人達を見たあとじゃないかな、って思うんです。


中でも特に肉まんくんですよね。
彼はB級に上がってからずいぶん長い選手です。なかなか優勝できずA級に上がれない悔しさを一番わかっているのが彼なんだと思います。


悔しいよな。準優勝が、一番悔しいっ!


この直前までまだ太一は、自分に言い訳の余地を残していたんです。それは、青春ぜんぶをかるたに懸けていない証なのでしょうね。どこかで『必死になる自分なんてカッコ悪い』と思い続けていたんでしょうね。
そういった悪い意味でのプライドが、いまここでついに決壊したんですよ。自分をごまかして目をそらしていたとてつもない悔しさに、正面から向き合うことができるようになったんですよ。


だから、彼は負けて成長したんじゃないと思います。
仲間がいたから成長できたと思うんです。


一人はみんなのために、みんなは一人のために。
チームっていいよなぁ、ってね〜。




△▼△



千早は本当に強くなりました。いままでは上手かったけれど、彼女は強くもなりました。


強い』とは、どんな相手を前にしてもいつも通りの自分を出せること。
上手い』とはそこで意味が違ってきているんでしょうね。



ただ、強くはなったけれど、上手さが足りない。
クイーンのプレッシャーに向き合って人間同士、同い年同士、女の子同士として、対等に向き合うことはできるようになったのはすごい。が、クイーンと呼ばれる存在が『強い』だけのはずが無いんです。誰よりもまず『上手い』はずなんです。


千早は、そう、言ってしまえばいままで自分の『感じ』の良さに増長していたと思うんです。そこは確かにクイーンさえ上回っているかも知れない才能です。そして、それにおぼれて札の記憶や、並べ方の戦術等、他の大切なことをなおざりにしていたように思えてなりません。


千早は、負けて成長しました。
本当の強さ、並外れた上手さに、こてんぱんにのされてようやく目が覚めたと言ったところでしょうか。




△▼△




クイーンも千早の『強さ』には注目しているようですね。
12枚差の須藤との試合はただの格下とのじゃれあいと考えているようなのに、20枚の大差をつけて勝った千早との試合では王者のプライドを痛く傷つけられたと見えます。
下手なくせに王者に屈しないとは許せない
あるいはこう思っているのかもしれませんね。次は潰す気満々だったし。


今回はそんなところでしょうか。
やっぱ、肉まんくんいいですね。彼も太一という仲間でありライバルである存在が身近にいるから成長できるタイプみたいですよ。二人で切磋琢磨しながら心技体のすべてを向上させていって欲しいものであります。


では、また。